水の章 鳥に学ぶ


  3 「気」はつかむことができない  

 
 手は、物を持つために進化しました。そのために、「気」を理解することがむづかしくなってしまったのです。

 「物」は手でつかむことができますが、「気」は手でつかむことができません。

  「気」はどこにあるでしょう?「気」は周囲の空間のいたるところにあります。そのどこにでもある「気」は手でつかむことはできません。空気だって手でつかむことはできないでしょう。

 しかし、手には、物を持つのとは全く別の使い方があります。「触る」「探る」ための感覚、つまり、触覚です。触覚は物に対して「触る」こともできますが、空間に対して「触る」こともできるのです。

 暗い部屋の中で壁を「触る」そんな気持ちで私たちの周りの空間を感じてみましょう。

 「気」を手でつかむ事はできませんが「気」と親密になることはできます。「気」と両手で遊ぶのです。両手を鳥のように動かして「気」と戯れることを日課に取り入れましょう。
 
 
 
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